4月25日、2時間あまりに及んだ緊急記者会見で、大手音楽事務所ADORのミン・ヒジン代表は親会社であるHYBEへの怒りを時に声を荒げ、時に嗚咽を交えながらぶちまけた会見をまだ記憶に新しい方もまだ多いことでしょう。結果として、世論を味方につけたミン・ヒジン側が裁判でも勝った。
(出典:News1)
今回のお家騒動はパン・シヒョクがJYPから独立し、0から作り上げ、数々の会社を買収し、HYBEレーベルとして世界的企業になった現在、一番大きな事件だったといえる。世間のイメージも『BTS生みの親』というよりかは、権力を奮う者として、韓国ドラマのような財閥の長として映るようになった人も少なくはないだろうか。
(出典:News1)
そんな中、企業イメージを取り戻すために今HYBEが広報しているのがBTSのJINの除隊だ。BTSのJINが来る6月12日に除隊し、その次の日の13日にソウル市松坡区の蚕室室内体育館で開催される「2024 BTS FESTA(フェスタ)」オフライン・イベントでARMYと再会すると発表した。その中で、ハグ会を行うというのだ。これは喜ばしいニュースとして取り上げられると思っていた。
(出典:朝鮮日報)
しかしながら、一度落としたイメージの回復はそんな簡単ではなかった。これを発表した後、ARMY(BTSのファンの呼称)は様々な反応があった。「除隊直後は家族と過ごしてほしい」「入隊前からFESTAに参加するのは決まっていたと思うけれど100人でも大変なのに1000人とハグって・・」「JINの体力も心配だし、衛生面、防犯面は大丈夫なの?」などと声が殺到したのだ。
これだけではなく、ファンが愕然としたのが応募条件だ。それが「ARMYのメンバーシップ登録者」「応募期間内にWeverse Shop通じて『Proof』以降に発売されたBTSのアルバム(ソロアルバムを含む)を購入し、イベントへの応募を完了した顧客」だった。BTSの公式ファンクラブであるARMYのメンバーシップ登録費は2万5,000ウォン(約2,850円)で、「Proof」以降に発売されたアルバムは計10枚にもなる。ジンの除隊を待っていたファンであれば、イベント開催が告知される前に、すでに「Proof」以降に発売されたアルバムのほとんどを購入している人が多いはずだが、なんとHYBEは、6月2日から6日までに新たにアルバムを購入しなければイベントに応募できないという条件を掲げのだ。しかも購入したアルバムの枚数が多ければ多いほど、当選確率が上がるというのだ。これにファンが激怒するのは自然なこと。奇しくも、このアルバムを押し売りするというK-POP界の戦法はミン・ヒジンが4月25日会見内で批判していたやり方でもある。
(出典:Big hit music)
アルバムの中にメンバーのカードを入れて、サイン会参加の特典を入れて、ファンが自分の推しのカードを手に入れるため、サイン会へ行くために、CDを何十枚、何百枚と買う今のファンの懐事情。ファンが消耗していく姿にミン・ヒジンはずっと警報を鳴らしていたのだ。現にNewJeansはサイン会はほとんど行わず、アルバムにカードを入れてファンの心理を利用してCDの売上を傘増しすることはしていない。それでもNewJeansのアルバムは細部まで配慮がありクオリティに感動するレベルとのこと。
NewJeansは、「Y2Kリバイバル」という新しいコンセプトで人気を得ている。これは今のアイドルのコンセプトとは大きく異なり、K-POP界の「ゲームチェンジャー」と言われている。そんなミン・ヒジンのプロデューサーとしての手腕は、これからの世界に新しい何かやってくれるそんな気がしてならない。そんな彼女の活躍に期待をしている一方で、一度落としてしまったイメージをどのように回復していくのか、それともBTSの力に依存している会社なのか世界的企業になったHYBEの手腕を見届けたい。
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